今年の目標は個展をすることで、それは4月に叶って、そこからもう3回目の展示になります。
今回の作品は、コラージュ的に作ったイラストです。具体的には、写真からいくつかのシルエットを抽出してきて、またはイメージを描いて、それをコラージュのように組み合わせて作っています。
このシルエットを抽出してコラージュする、という作り方は、とてもシンプルで平坦なイメージを作ります。平坦さは、前回や前々回からずっと変わらない、私の作りたいものなんだと思います。それが、これまで一貫している作品のテーマです。
その平坦さを、どこにあっても良いし、なくても良い、という意味で捉え直したのが今回のシリーズなのかもしれません。
2020年という非常な年にとって、アートは人生に必要なものなのか、という問いはとても意味深です。このことに対して、私は、必要ではないという回答を持っています。
しかし、必要ないことがそのまま、あってはならないということにはならないはずです。むしろ必要ないものたちは、その多くが、あっても良いものなのです。
現代にとって、アートは必要なものではないから、あっても良いものでもある。その存在価値の浅さは、根拠のない不安定さもあるけれど、同時に何に対しても肯定的で、とても面白いものです。
なによりも僕たちが、必要と不要の間を生きているのだから。」